気を取り直して、8月17日の午後、家をでた。16時3分発のこだまに乗り、静岡から東海道線で焼津に戻ってきた。自転車預かり所のおじいさんはすこしポケッとしていたので昨日預けた、とごまかせられると思ったが以外にしかっりと覚えていた。ほんのちょびっとだけまけてもらい、18時20分、焼津を後にした。
この旅の中で、初めての、夜の旅である。
はっきり言ってこの日はやられたといって良い。すべては、太平洋岸自転車道のせいだ。そう、すべてが・・・
ちなみにこの日の夕食は例の「ガスト」ですました。 さて、大井川をすぎたあたりに、太平洋岸自転車道という看板を見つけた。もともと、自転車道を通る予定があったので、さっそく、その道を探して、自転車道に入った。もちろん車など来ないので、安心して走れる。しかし、夜の自転車道はこわい。蛙や虫の声が辺り一面に響くだけだ。すぐ横に国道が走っているはずだが、車の通る音すら聞こえなくなった。まぁ、それはそれでいい雰囲気であったが。しかし、ここで一つの疑問が浮か
んだ。 「この道あってんのか?」 夜だと、腕時計による方角調べもできない。そのうち自転車道自体が怪しくなってきた。横を車が通るのだ。気付いたら、自転車道を離れているのだ。そのたびに正しい道を探していたが、とうとう、自転車道が行方不明になってしまった。ちゃんとまっすぐ進んでいたのに・・・「
や、やばい。」
そのうち、なんと峠に入ってしまった。御前崎に行くのに、何で峠を越えなあかん。心身ともに疲れはてた俺たちは、自転車を降り、真っ暗の中、自転車を押した。峠を越えた、と思ったが今度は右左どちらに行って良いかもわからない。地図を見ても、自分たち
がどこにいるかもわからない。暗闇の中では、たまに通る車の明かりがすくいだ。ほとんど勘で、左に進んだ。ところが、その先にはさらに5叉路があり、近くにカラオケやがあったのに道を聞くこともせず、ふたたび野性の勘をたよりに車が通った一本の道を進んだ。そのうち遠方に町の明かりが見えた。(後に相良町と判明。)めちゃくちゃ感動した。町の明かりにこれほどの感動を覚えたのは初めてである。これで、ようやく居場所が分かる。さらに、そこからは下りだ。夜風を切りながら、麓(?)に向かった。どうやら、俺たちは意味のない峠を越えてしまったようだ。ちくしょー、もう二度と自転車道には行かないぞ!
ようやく国道(150号)に戻った。すでに10時を回っている。今度は寝る場所を探さねば。公民館の久や、草原があったが、蚊などの虫に悩まれそうだ。11時頃、御前崎の5kmほど手前に、 オートスナック(自動販売機がたくさんあるところね。)を見つけた。机と椅子もある。ここで寝るか・・・。野宿としては上等なところである。床には怪しい虫や蜘蛛がいたが、外よりはましかと思い、さっそく眠りに入った。しかし、横は国道。夜遅くまでトラックが通りなかなか眠れなかった。イケモンはさらに眠れなかったらしい。あの男、野 宿にあこがれていたようだが、どうやらそれはただのあこがれでしかなかった ようだ。夜中、自動販売機のジュースを補充するために工場の人が来たが、彼には我々が どのように映ったのか興味深いところである。