Av.14.9km
Tm.3.04.17
Dst.46.02km
7時頃目を覚ますと遠くからこちらの様子を伺う人陰があるのに気が付いた。確かにだれもいないはずの工場の軒先で、寝袋にくるまっている我々は不審者だ。その人陰にビクビクしていると、工場の人らしき車が脇を通った。叱られるかと思ったが、愛想がよく別に気にしていなさそうなので安心した。
今日は下関を目指す。昨日は相当距離を稼いだので午前中につくかもしれない。早めについたら釣りでもしようということになった。余裕のある計画をたてると気分もずいぶん楽になる。予定通りに、11時頃には市内に着いた。
途中、マリンランドという遊園地とそれに隣接するホテルがあったが、両方とも見事につぶれて廃虚となっていた。潰れた遊園地はなんだか寂しい。バブルの夢の跡か、、、
関門橋が見える。橋の向こう側が門司だろう。 3年前が懐かしくなった。あの時は向こう側からこちらを眺めていたのだ。3年前の門司と同じように今回も海員会館にお世話になることにした。下関の駅に到着した。この旅行の出発前にこの駅で無差別殺人があったのだが、その面影はまったくない。
夕食はそこそこの出費になることが予想されるため、できるかぎりお金を節約しなければならない。そう、あの元が来るのである。そのため、昼食は駅前のケンタッキーですませることにした。
海員会館に到着しとりあえず荷物を置いた。都合により二人別部屋になったが、それもたまにはいいだろう。こんな旅行だからふたりして、仲良くやっていると思われそうだが、実際は喧嘩もするし、口数が少なくなることもしょっちゅだ。
いつも、自然に仲直りしていた。昨日は野宿をしたせいで、体がなんとなく気持ち悪い。まずは近くの銭湯に行くことにした。釣りを楽しむ時間もあったが、釣り道具一式を貸してもらえるところはこの辺にはないらしい。線路を渡って、銭湯へ。なんと天然温泉らしい。これは予想外だ。昼間だというのに、たくさんの地元住民が入浴していた。おやじの話声がやたらとでかくてうるさい。決してりっぱな銭湯ではないが、ミストサウナがあるのはたいしたものだ。下町情緒あふれる銭湯を宇田川は気に入っていた。その後、駅の周辺で居酒屋を探した。始めは、白木屋にしようとしたが、せっかくここまで来ているのだからチェーン店はやめようぜ、と宇田川に一喝され、駅前の地元らしい居酒屋を選んだ。
元が到着するまでの間に時間があったので、いったん海員会館にもどりロビーで新聞を読んでくつろいでいた。すると中年の男性客が入ってきた。受付のおじさんの愛想の悪さに切れたらしく、横で大げんかをはじめてしまった。くだらないことで、よくあんなにパワーを使えるな、全く。
夕方6時頃、元と再開。わざわざ、福岡から来るなんてたいした奴である。2時間以上かけて来てくれた。福岡、下関なんて近い、近いと思っていたが、実際はけっこう離れているようだ。なんだが悪いことをしたような気もする。そんな元はなんか以前より幼くなっているようであった。なぜか、サッカーボールを持ってきたあたりはさすがである。そんなに狙わなくていいのに。駅から直接居酒屋へ入った。ここに入ったのは大正解だった。料理はおいしく、店員さんもすごい親切である。ふぐの刺身や、白焼き、からあげなどの贅沢をさせてもらった。白子はひとつで全財産が飛んでしまうのであきらめたが、、、また、アジのタタキがこれまた非常においしかった。店員さんが予算を尋ねてくれたので、3000円くらいでなんとかまとめてもらおうと思ったが、食が進み、結局こちらから予算を無視した注文を連発した。その結果、しっかり5000円ほどとられてしまったのは文句は言えない。でも、おいしかったし、お酒も飲んだし、大満足である。これからの道のりを考えれば、途中でこのくらいの贅沢は許されるだろう。
元を海員会館までつれてきて、酒を飲み直した。くだらない事を話しているうちに、最終の電車の時間が迫ってきた。さらに宇田川が突然眠りはじめたので、私一人で玄関まで見送って元と別れた。久々の再開はなかなか楽しかった。その後、眠気が急に襲ってきたので、そのまま、自分の部屋に戻った。そう言えば、宇田川の部屋の電気もテレビもなにもかもつけっぱなしだっけ、とふとんの中で考えているうちに、深い眠りに着いた。