Av.16.4km
Tm.4.46.37
Dst.79.11km
船の汽笛の音で、目が覚めた、と言いたいところだが、実際のところは余りの寝心地の悪さに、睡眠が途切れたと言った方が良いだろう。5時過ぎに目を覚まし、眠気眼で7時くらいまでだらだらしていた。今日も天気が良い。暑くなりそうだ。寝袋の中でだらだらしていると、昨日フェリー乗り場にいた、我々と同じく自転車で旅をしている男が、水飲み場で服を洗っている。それにしても凄い荷物だ。実は、彼には来島海峡大橋の上で追い抜かされている。リュックを背負わない分、多少楽なのだろうが、彼等は我々と違い、自転車を扱うのが相当うまいのだろう。昨日は、しまなみ海道を往復したそうだ。なんというバイタリティだ。往復なんて発想は私には到底無理である。彼にトマトをもらったが、あまり食べなかった。こういう旅では食あたりだけはごめんだ。また、10円寿司屋なるものを教えてもらったが、結局見つからなかった。どうせ、朝だからやってはいないだろうが、、、
今日は道後温泉に向かい、そこからフェリーで広島を目指す。その前に、今治の薬屋で、炎症用の軟こうと筋肉痛用のジェルを買った。後者はもちろんパンパンになった足に使うのだが、前者は日焼けでヒリヒリする腕に塗るために買った。もはや火傷状態である。これ以上の日焼けはしたく無いと、なるべくウインドブレーカーを着ながら走っていたが、手の甲だけはどうしようもない。そういえば、前回の旅では、腕に時計の跡ができるのを嫌い、自転車のハンドルに腕時計を巻き付けていたのだが、宮崎で盗まれたトラウマか、今回はずっと腕に巻いていた。この時既に、しっかりと焼跡ができていたので、もうどうでもよくなった。また、あいかわらず肛門が痛くなるので、これにも薬は役にたった。
そして、今日もしっかり暑く、日ざしが強い。今治から松山まで特に大変な道は無かったと思うが、瀬戸内海の景色は美しかったのは印象に残っている。昨日とは違い、距離もそんなにないので余裕を持って走ることができたと思う。無事、松山に到着。ここで、昼食のためモスバーガーに立ち寄る。二人ともモス好きだったので、いつかは行くと思っていたが、予想より遅い、この旅の「初モス」である。この頃になると、昼食などで店の中にはいると、服の汗臭さが気になる。やはり、コンビニの外でおにぎりでも食べた方が気が楽である。さて、モスにあったスポーツ新聞で、スピードの解散を知る。宇田川は相当ショックを受けたようだった。
道後温泉は松山の中心から、2kmほど離れたところにある。道後の商店街を抜けると、道後温泉本館のすばらしい建物が見えてきた。明治の建築は、手が混んでいて見ごたえがある。ここにきて、一つの問題が浮上した。道後温泉の複雑な料金体系である。中には2種類の風呂があるらしいのだが、それぞれ別料金をとる。さらに粋に決めようと、2階で休憩しようとするとこれまた別料金。宇田川は、かなり不満そうだった。私は、内装を見てみたいという思いもあり、1種類の風呂と2階での休憩がセットになっているコースを選んだ。まずは、2階にいって、浴衣に着替える。うん、なんかその気になってきた。縁側から景色を見る。風情があっていい。気分がもりあがってきたところで、いざ温泉へ。想像では、昔ながらの風呂だろうと思っていたが、実際にはシャワーもあるし実に清潔感のある風呂であった。温度も湯量も申し分ない。やはり、風呂自体は常に綺麗にしておかないと、お客は来なくなるのかな?おかげで気持ちよく風呂に浸かることができた。脱衣所で着替えていると、背中一面に入れ墨のあるおじさんが表れた。あまりにすごかったので、思わず素晴らしいですね、と声をかけ、「そうかい、兄ちゃん。ありがとよ。俺はこの辺りではちょっとは知れた〜」という会話を密かに期待したが、万が一のことを考え何も言わなかった。でもいい温泉だったのは間違いない。また、来よう。いつも通り、宇田川より一足はやく風呂からあがり、座敷きでお茶をいただいた。お遍路さんのおばさんがいて、一言二言話をしたが、お遍路をやってるってことは、それなりの理由があるのだろうから、あまり深く聞くのはやめた。さて、宇田川が風呂からあがったので、フェリーの時間を電話で聞くことにした。広島ではユースに泊まることにしたので、あまり遅くできない。門限に間に合わなかったらどうしようもない。それでも、乾いたのどを潤すため、居酒屋で地ビールを頂いた。うん。おいしい。つまみは、すぐにできる盛り合わせを頼んだ。たしか、四国特産のしらす、とかまぼことなにか3種類が入っていた。しかし、これを頼んだのは正解だった。もし、別の料理を頼んでいたらフェリーに間に合わなかったからである。
居酒屋を出て、フェリー乗り場へ向かう。当初、規模の大きい、三津浜港から 船がでると思いこんでいたのだが、現地に着いてから、実はもっと北にある松山観光港から、船がでることがわかった。まずい、、時間が無い。大急ぎで、観光港へむかう。私は、つかないならつかないでいいやと腹をくくっていたので、途中の水路を泳ぐ魚の群れなどを感心して眺めていたが、宇田川はすごいあせっていたらしい。私も彼のスピードにあわせて、自転車をこいだが、確かにかなりペースは早かったと思う。そして、あと10分を切ったところで、港に到着。なんとかフェリーに乗れたと思ったが、突然宇田川のPHSに元から電話がかかってくるわで、最後まで大慌てであった。そして、短い滞在ではあったが四国に別れを告げた。ちなみに、松山でスタートから走行距離500kmを突破した。
フェリーはなかなか豪華で、客もそれほどいなかったので、ゆっくりできた。2時間30分の船の旅である。うとうと眠っている内に日が暮れて、呉に着く頃には真っ暗になっていた。デッキに出て、呉の夜景を眺める。宇田川はまだ寝てるのか、、、、と物思いにふける。船内にもどると、テレビで2000円札の話題を流していた。あんなもの、 経費がかかるだけじゃないの?また、明日松山で祭りがあるというニュースもあった。タイミングが悪いな、、、しかし、後日祭りの模様をテレビでみると、道後温泉本館前も人だかりの山である。自転車で近付くこともできなそうだ。これは、ラッキーであったのかもしれない。今回の旅は一日違いのラッキーが結構ある。例えば、温泉の休館日の次の日にそこを訪ねたり、台風の被害を受けた、厳島神社は今日から参拝を再開させるといった具合にだ。広島港にようやく到着した。船の外にでるとき、麻雀部屋を発見。もう少し早く見つけたら一勝負できたのだが。
さて、広島についてからがきつかった。もう今日は自転車にのる事はないだろうと思っていた分精神的に参った。道に迷うことはなかったが、ユースは市街から北に離れたところに位置しており、かなり時間を費やした。おかげで、走行距離は予想を大きく上回り、80km近くなってしまった。 ユースは、いわゆるよくあるユースらしく、外人が多かった。ブラジル人とも相部屋になった。こっちはコミュニケーションなんて求めていない。とにかく体を休めたいのだ。彼等が騒ぐのが耳に着いた。あと、風呂も汚い。夜遅く入ったせいもあるが、もともと掃除してないだろっ。よく宇田川は入れるな。私は、湯舟を見た瞬間、風呂からあがった。せっかく道後温泉にはいったのが無駄になる。たまった洗濯物を洗えたのも順番待ちで12時ごろだし、夜飯のカップラーメンはまずいし、、なぜか、夜は不満だらけになってしまった。 もういい。寝よう。すべてを忘れるようにベットに横になった。